十川眼科大町院
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正常眼圧緑内障とは?|眼圧が正常なのに緑内障になる理由と治療法を旭川市の眼科専門医が解説

2026.06.04コラム

「眼圧は正常なのに緑内障と言われた」
「健康診断で視神経乳頭陥凹拡大を指摘された」
「見えているのに緑内障なの?」

このように言われて、不安になって受診される方は少なくありません。

緑内障というと「眼圧が高い病気」というイメージを持たれる方が多いですが、 実は日本人では、眼圧が正常範囲でも視野の障害が進行する 「正常眼圧緑内障」が非常に多いことが知られています。

この記事では、
・正常眼圧緑内障とはどんな病気か
・なぜ眼圧が正常でも進行するのか
・どんな検査や治療を行うのか
について、眼科専門医がわかりやすく解説します。


監修:十川眼科大町院 院長 中林征吾(日本眼科学会認定 眼科専門医、医学博士)



1. 正常眼圧緑内障とは?
2. 「眼圧が正常だから大丈夫」は誤解
3. なぜ眼圧が正常でも緑内障になる?
4. 正常眼圧緑内障の症状
5. どんな検査をする?
6. 正常眼圧緑内障の治療
7. まとめ
8. 関連ページへのリンク

1. 正常眼圧緑内障とは?


緑内障とは、目の奥の内側にある神経がダメージを受けてしまい、視野が欠けてくる病気です。
一般的には「眼圧が高い病気」と思われることが多いですが、 日本人では眼圧が正常範囲でも進行する「正常眼圧緑内障」が非常に多いことが知られています。

日本で2000年~2001年に行われた大規模な緑内障の疫学調査(多治見スタディ)では、日本人の緑内障の約7割が正常眼圧緑内障であったことが報告されています。

当院でも実際に緑内障患者さんの多くは正常眼圧緑内障です。治療前の眼圧が10台前半の眼圧の方もいらっしゃいます。

正常眼圧緑内障では、眼圧が正常範囲(一般的には10〜21 mmHg程度)であっても、視神経が障害され、視野障害がゆっくりと進行していきます。

視野障害のイメージ

2. 「眼圧が正常だから大丈夫」は誤解


正常な眼圧だから安心とは限りません。
健康診断などで「眼圧は正常です」と言われても、緑内障が否定されるわけではありません。

実際に、正常眼圧緑内障では眼圧だけでは診断することはできないのです。 眼科を受診して、眼底検査、視野検査などの検査をうけることではじめて診断できます。


3. なぜ眼圧が正常でも緑内障になる?


正常眼圧緑内障の原因は完全には解明されていませんが、 「視神経の弱さ」や「血流の影響」などが関係していると考えられています。

また、日本人では強い近視の方が多く、近視に伴って視神経が弱くなりやすいことも関係していると考えられています。
そのため、一般的には正常とされる眼圧でも、その方にとっては高すぎる場合があります。

つまり、同じ15mmHgという眼圧でも、問題にならない方もいれば、視神経が障害されてしまう方もいるのです。



4. 正常眼圧緑内障の症状


緑内障は初期にはほとんど自覚症状がありません。
視野は少しずつ障害されるため、かなり進行するまで気づかないことも多い病気です。


  • 視野の一部が欠ける
  • 見える範囲が狭くなる
  • 段差が見えづらい
  • 片目を隠すと見えづらさに気づく

ただし、両目で見ると脳が補ってしまうため、日常生活では気づきにくいことも少なくありません。


5. どんな検査をする?


正常眼圧緑内障では、眼圧だけでなく、視神経や視野を詳しく調べることが重要です。


  • 眼圧検査
  • 隅角検査
  • 眼底検査
  • OCT(光干渉断層計)
  • 視野検査

特にOCT検査では、視神経の厚みを詳細に確認することができます。
また、視野検査では、実際にどの部分の見え方が障害されているかを確認します。

また、しっかりと「正常眼圧緑内障」と診断するには、 「隅角(ぐうかく)」という目の水を排水する場所を丁寧に観察することも重要です。


6. 正常眼圧緑内障の治療


正常眼圧緑内障でも、現在唯一、進行を抑える効果が証明されている治療は「眼圧を下げること」です。
そのため、眼圧が正常範囲であっても、点眼治療などによってさらに眼圧を下げる治療を行います。


進行の程度によっては、レーザー治療や手術が必要になる場合もあります。
当院でも、点眼治療をしていて、眼圧が15mmHg前後や10台前半であっても視野障害が進行し、 トラベクレクトミーという強力に眼圧を下げる緑内障手術を行うことがあります。

緑内障は一度障害された視野を元に戻すことはできないため、早期発見・早期治療がとても重要です。


7. まとめ


正常眼圧緑内障は、 眼圧が正常範囲でも進行する緑内障です。
日本人では特に多く、 初期には自覚症状がほとんどありません。

健康診断で視神経異常を指摘された方や、 ご家族に緑内障の方がいる場合には、 一度しっかり検査を受けることをおすすめします。




著者情報

十川眼科大町院 院長 中林征吾

医師紹介ページ アクセス
中林 征吾
  • 日本眼科学会認定 眼科専門医、医学博士
  • 日本眼科学会、日本緑内障学会、日本眼炎症学会 所属

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