緑内障は初期症状がないって本当なの?|旭川市の眼科専門医が解説
2026.05.18コラム
「緑内障は初期症状がない」と聞いたことはありませんか?
実際、緑内障はかなり進行するまで自覚症状が少ない病気です。
見えにくさを感じたときには、すでに視野障害が進行していることもあります。
しかし、早期発見・早期治療によって進行を抑えられる可能性があります。
この記事では、
・なぜ緑内障は気づきにくいのか
・どんな症状に注意すべきか
・検査の重要性
について、眼科専門医がわかりやすく解説します。
監修:十川眼科大町院 院長 中林征吾(日本眼科学会認定 眼科専門医、医学博士)
1. そもそも緑内障とは?
2. なぜ初期症状に気づきにくいの?
3. こんな症状がある場合は注意
4. 症状が急激に悪化するタイプもある
5. 早期発見のために検査が大切
6. まとめ
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1. そもそも緑内障とは?
緑内障とは、目の奥の内側にある神経がダメージを受けてしまい、視野が欠けてくる病気です。 緑内障は日本における中途失明原因の第一位とされています。
残念ながら現在の医学では進行を緩やかにする治療はありますが、緑内障による視野障害を治すことはできません。 多くの場合でゆっくりと進行し、緑内障の初期では症状に気づきにくいことが特徴です。
2. なぜ初期症状に気づきにくいの?
人間は視野の「真ん中」を中心に見ているため
人間は、視野の「真ん中」を中心に見ています。さらに視線を動かして見ます。 そのため、視野の端が見えづらくてもほとんど気づけません。 緑内障では、視野の周辺から少しずつ障害されることが多いため、 日常生活では見えているように感じることが多いです。
両目と脳が“見えていない部分”を補ってしまう
人間には左右2つの目があります。 片方の目に視野障害があっても、もう片方の目で補ってしまうために異常に気づきにくくなります。 また、脳には周囲の情報から「見えていない部分を自然に補う」働きがあるため、 視野が欠けていても違和感を覚えにくいのです。
3. こんな症状がある場合は注意
緑内障が進行すると、次のような症状が現れることがあります。
- 視野が欠ける、一部がぼやっと見える
- 階段が見づらい
- 人や物にぶつかりやすい
- 片目だと見えにくい
- 視力低下を感じる
ただし、これらの症状が出る頃には、緑内障がある程度進行していることも多いです。 そのため、自覚症状がなくても定期検査が重要です。
4. 症状が急激に悪化するタイプもある
多くの緑内障の方の視野障害は年月をかけてゆっくりと進行しますが、
眼圧が非常に高くなるタイプでは、短期間で急激に悪化することがあります。
眼圧が非常に高くなると、急激な視力低下や強い痛み、頭痛や吐き気を生じることもあり、
放置すると数日〜1週間ほどで見えなくなってしまう恐れもあります。
急な目の痛み、充血、見えにくさ、頭痛、吐き気などがある場合は、早めの受診が必要です。
5. 早期発見のために検査が大切
緑内障では、一度障害された目の神経や視野障害を元に戻すことができない病気です。 そのため、できるだけ早く検査で病気を見つけて進行を抑えることが重要になります。
眼科で行う緑内障の検査
- 眼底検査、OCT検査:緑内障の変化が目の奥の神経にあるかどうかを調べる。緑内障の診断に必須の検査。
- 視野検査:目の奥の神経の変化に一致した、視野障害があるかどうかを調べる。緑内障の診断に必須の検査。
- 隅角検査:緑内障のタイプを調べるための検査。緑内障のタイプによって治療方法が異なります。
- 眼圧検査:緑内障の多くの場合で眼圧を下げることが、進行をゆるやかにさせるための治療になります。
- 視力検査:視力が下がっていないかどうか調べます。
当院では眼底検査、OCT検査、視野検査の変化を定期的に調べており、悪化がないかどうかを見極めております。

6. まとめ
緑内障とは、目の奥の内側にある神経がダメージを受けてしまい、視野が欠けてくる病気です。
人間は視野の「真ん中」を中心に見ています。
また、両目と脳が“見えていない部分”を補ってしまうため、 初期の緑内障では視野が欠けていることに気付けないことが多いです。
緑内障が進行してくると、視野の一部がボヤけたり、視力が下がってきたりします。
緑内障の中には、眼痛、頭痛、吐き気とともに一気に見えなくなってしまうタイプの緑内障もあります。
緑内障では、一度障害された目の神経や視野障害を元に戻すことができない病気です。
そのため、できるだけ早く検査で病気を見つけて進行を抑えることが重要になります。
40歳を過ぎると緑内障の頻度は増えてきます。自覚症状がなくても、定期的な眼科検査をおすすめします。

