点眼薬(目薬)の正しい使い方|1滴でよい理由や点眼間隔などを眼科専門医が解説
2026.05.26コラム
点眼薬は、緑内障、白内障手術後、ドライアイ、アレルギー性結膜炎など、さまざまな眼科疾患で使用されます。
「点眼薬がうまく目に入らない」
「何滴も入れてしまう」
「点眼したあとにすぐ流れてしまう」
「何種類も点眼があって順番がわからない」
このようなお悩みはありませんか?
点眼薬は、ただ目に入れればよいというわけではありません。
正しい方法で点眼することで、薬の効果をしっかり発揮し、副作用を減らすことにもつながります。
特に緑内障やドライアイ、アレルギーなどで複数の点眼薬を使用している方では、
正しい点眼方法がとても重要です。
この記事では、
・点眼薬をうまくさすコツ
・1滴で十分な理由
・点眼後に目を閉じる理由
・まばたきが逆効果になる理由
・複数の点眼薬を使うときの注意点
について、眼科専門医がわかりやすく解説します。
監修:十川眼科大町院 院長 中林征吾(日本眼科学会認定 眼科専門医、医学博士)
1. なぜ正しい点眼方法が重要なの?
2. 基本の点眼方法
3. 点眼は1滴で十分?
4. まばたきが逆効果になる理由
5. 複数の点眼薬を使うときの注意点
6. 点眼薬の順番について
7. コンタクトレンズ使用中の点眼について
8. よくある失敗
9. まとめ
10. 関連するページへのリンク
1. なぜ正しい点眼方法が重要なの?
点眼薬は、正しく使用しないと十分な効果が得られないことがあります。
例えば、
- 点眼後にすぐまばたきをする
- 複数の点眼薬を続けてすぐ使う
といった使い方では、薬が流れてしまい、十分に目の中へとどまりません。
また、点眼薬が鼻へ流れることで、全身へ吸収され、副作用につながることもあります。
2. 基本の点眼方法
当院では、次のような方法をおすすめしています。
① 下まぶたを軽く引く
利き手ではない方の手で、下まぶたを軽く下へ引きます。
「あっかんべー」をするようなイメージです。
② 手を固定する
下まぶたを引いている手は、軽くげんこつを作るようにします。
そのげんこつ部分に、点眼する側の手首や親指のつけ根あたりを軽く当てると、
手がプルプルしにくくなり、安定して点眼できます。
③ 点眼は1滴だけ
点眼薬は1滴で十分です。ボトルの先がまつ毛に触れないように注意してください。
何滴も入れてもあふれて流れてしまうだけで、効果が強くなるわけではありません。
④ 点眼後は目を閉じる
点眼後は、両目をやさしく閉じます。ギュッと強く閉じる必要はありません。 点眼後に静かに目を閉じることで、薬が目の表面に長く留まりやすくなります。
⑤ 目頭を押さえる
目を閉じたまま、目頭を指で軽く押さえて1〜2分ほど待ちます。
これは、点眼薬が涙点から鼻涙管へ流れるのを減らすためです。
薬を目の表面にしっかり留めることができ、全身への吸収も減らせます。

3. 点眼は1滴で十分?
目の表面にためられる液体の量には限界があります。
そのため、2滴以上入れても、ほとんどは目の外へ流れてしまいます。
「たくさん入れたほうが効く」というわけではありません。
4. まばたきが逆効果になる理由
点眼後にパチパチと何度もまばたきをすると、涙点~鼻涙管を通って鼻の方へ薬が流れてしまいます。
点眼後は、できるだけ静かに目を閉じて、目頭をおさえることが大切です。
5. 複数の点眼薬を使うときの注意点
複数の点眼薬を使う場合は、同じ目に続けてすぐ点眼しないようにしましょう。
最低でも5分は間隔をあけることが大切です。
続けて点眼すると、先に入れた薬が後の薬で洗い流されてしまい、十分な効果が得られません。
6. 点眼薬の順番について
一般的には、
- 透明な点眼薬を先
- にごった点眼薬を後
にするのがおすすめです。
にごった点眼薬のほうが目に留まりやすいため、後に使うほうが効果的です。
ただし、緑内障点眼薬の「ミケルナ」は少し特殊です。
前の点眼から10分以上あけて、一番最後に点眼してください。
また、白くにごった点眼薬は、薬の成分が沈殿していることがあります。
使用前に軽く振ってから点眼してください。
7. コンタクトレンズ使用中の点眼について
コンタクトレンズを装用したまま使用できない点眼薬があります。
特に、塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤を含む点眼薬では注意が必要です。
防腐剤はソフトコンタクトレンズに吸着しやすく、角膜障害や目のトラブルの原因になることがあります。
また、当院ではステロイド点眼薬についても、コンタクトレンズを外した状態で使用していただくようご説明しています。
点眼後は通常15分程度あけてからコンタクトレンズを装用してください。
ただし、薬剤によって注意点が異なるため、詳しくは医師・薬剤師の指示に従ってください。
8. よくある失敗
- 点眼容器の先がまつ毛や目に触れてしまう
- 何滴も入れてしまう
- 点眼後にすぐまばたきする
- 点眼後にすぐ目を開けてしまう
- 複数の点眼を続けてすぐ使う
点眼容器の先が目に触れると、細菌汚染の原因になることがあります。
容器の先は目やまつ毛に触れないよう注意しましょう。
9. まとめ
点眼薬は、正しい方法で使用することで効果をしっかり発揮できます。
特に重要なのは、
- 1滴だけ点眼する
- 点眼後は静かに目を閉じる
- 目頭を押さえる
- 複数の点眼薬をさすときは5分以上あける
といったポイントです。
点眼方法に不安がある方は、診察時にお気軽にご相談ください。
10. 関連するページへのリンク
- 診療案内:「緑内障にお悩みの方へ(症状・治療方法・費用を詳しく)」
- 診療案内:「ドライアイにお悩みの方へ(症状・治療方法などを詳しく)」
- コラム「目のかゆみにお悩みの方へ|花粉症・アレルギー性結膜炎を解説」

