子どもの近視進行抑制治療はいつから始める?|旭川市の眼科専門医が解説
2026.06.10コラム
「近視進行抑制治療は受けた方がよいのでしょうか?」
「まだ近視が軽いので様子を見ても大丈夫?」
「どんな治療がおすすめですか?」
近年、低濃度アトロピン点眼やオルソケラトロジーなどの近視進行抑制治療が注目されています。
近視進行抑制治療の目的は、単に近視の進行をゆるやかにすることだけではありません。
将来的な強度近視を減らし、将来の眼の病気のリスクを下げることが目的です。
この記事では、
・近視進行抑制治療を検討したいお子様の特徴
・治療を始めるタイミング
・当院での考え方
・主な治療方法
について、眼科専門医が解説します。
監修:十川眼科大町院 院長 中林征吾(日本眼科学会認定 眼科専門医、医学博士)
1. 近視進行抑制治療とは?
2. どんなお子様が治療を検討した方がよい?
3. 低年齢で近視になったお子様は要注意
4. 家族に強度近視の方がいる場合
5. いつから治療を始めるべき?
6. 当院で行っている近視進行抑制治療
7. まとめ
8. 関連ページへのリンク
1. 近視進行抑制治療とは?
近視進行抑制治療とは、成長期に進行する近視をできるだけ抑えることを目的とした治療です。
近視を完全に治す治療ではありませんが、将来的な強度近視のリスクを減らして、
網膜剥離、緑内障、近視性黄斑症などのリスクを下げることが期待されています。
近年では世界中で多くの研究が行われ、
治療法によって差はありますが、近視の進行を30〜60%程度抑制できることが報告されています。
2. どんなお子様が治療を検討した方がよい?
近視進行抑制治療を特に検討したいのは、将来的に強度近視になるリスクが高いお子様です。
例えば、
- 小学校低学年ですでに近視がある
- 就学前から近視がある
- 近視が毎年進行している
- 両親が近視、特に強度近視である
- 兄弟姉妹に強い近視の方がいる
このようなお子様では、近視進行抑制治療を早めに検討する意義があります。
3. 低年齢で近視になったお子様は要注意
一般的に近視は成長とともに進行し、平均的には18歳頃まで進行するといわれています。
また、近視の進行は身長の伸びと関連することも多く、成長期が続く間は近視も進行しやすい傾向があります。
そのため、近視を発症する年齢が早いほど進行する期間が長くなり、将来的に強度近視になるリスクが高くなります。
例えば同じような進行速度であっても、小学校1年生で近視になったお子様と、
中学生になってから近視になったお子様では、最終的な近視の強さが大きく異なることが多いです。
そのため、就学前や小学校低学年で近視が見つかった場合には、近視進行抑制治療を積極的に検討します。
4. 家族に強度近視の方がいる場合
近視には遺伝的要因も関係しています。
両親とも近視の場合は、お子様も近視になりやすいことが知られています。
もちろん遺伝だけで決まるわけではありませんが、特に保護者の方が強度近視の場合には、
お子様も将来的に強度近視になるリスクが高くなります。
そのため、早期から近視進行抑制治療を検討する価値があります。
5. いつから治療を始めるべき?
「まず経過を見てから考えましょう」と言われることがあります。
しかし近視の進行速度はお子様によって大きく異なります。
1年間でほとんど近視が進まないお子様もいれば、短期間で急速に近視が進行するお子様もいます。
一度進行した近視をもとに戻すことはできません。
そのため当院では、近視が見つかった段階で近視進行抑制治療についてご説明し、
ご希望に応じて早期から治療を開始できる体制を整えています。
特に就学前や小学校低学年で近視が見つかった場合や、保護者に強い近視の方がいる場合には、
将来的に強度近視となるリスクが高まるため、早期からの近視進行抑制治療をおすすめしております。
低年齢で近視が見つかったお子様ほど、治療によって得られるメリットが大きい可能性があるためです。
6. 当院で行っている近視進行抑制治療
当院では、お子様の年齢や生活スタイルに合わせて治療法をご提案しています。
- 低濃度アトロピン点眼(リジュセアミニ点眼)
- オルソケラトロジー
- 多焦点ソフトコンタクトレンズ
- 近視管理用眼鏡(HOYA MiYOSMARTの処方箋発行)
また、オルソケラトロジーは夜寝る前にレンズを装用して日中裸眼で過ごせる治療です。
サッカー、野球、バスケットボール、水泳など、スポーツを頑張っているお子様にもよく選ばれています。
眼鏡やコンタクトレンズのズレや破損を気にせずに活動できることも大きなメリットです。
それぞれにメリットと注意点がありますので、診察時にご相談ください。
7. まとめ
近視進行抑制治療は、将来的な強度近視を減らし、将来の眼疾患リスクを下げることを目的とした治療です。
特に、低年齢で近視を発症したお子様や、家族に強度近視の方がいるお子様では、
早めの検討をおすすめします。
気になる方は診察時にお気軽にご相談ください。
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