十川眼科大町院
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子どもの近視は放置して大丈夫?|強度近視のリスクについて旭川市の眼科専門医が解説

2026.06.09コラム

「子どもの近視は放っておいても大丈夫?」
「眼鏡をかけると近視が進むのでしょうか?」
「近視進行抑制治療はしたほうがよいのでしょうか?」

学校健診や眼科受診をきっかけに、お子さんの近視について心配される保護者の方は少なくありません。

近視は単に「遠くが見えにくくなるだけの状態」ではありません。
近視が強くなると、将来的にさまざまな眼の病気のリスクが高くなることが知られています。

この記事では、
・近視はなぜ進行するのか
・眼鏡をかけると近視が進むのか
・強度近視になると何が問題なのか
・近視進行抑制治療が注目されている理由

について、旭川市の眼科専門医が解説します。


監修:十川眼科大町院 院長 中林征吾(日本眼科学会認定 眼科専門医、医学博士)



1. 子どもの近視は増えています
2. 近視はなぜ進行するの?
3. 眼鏡をかけると近視は進む?
4. 強度近視と将来の病気のリスク
5. なぜ近視進行抑制治療が行われるの?
6. まとめ
7. 関連ページへのリンク

1. 子どもの近視は増えています


近年、世界中で近視の子どもが増えています。
近視の割合が増えるにつれて、強度近視の人の割合も増えています。

特に東アジアではその傾向が強く、日本でも小学生から高校生まで近視の割合が高くなっています。

スマートフォンやタブレットなどのデジタル機器の普及、勉強時間の増加、屋外活動の減少などが関係していると考えられています。


2. 近視はなぜ進行するの?


近視は眼球が前後方向に伸びることで起こります。
子どもの成長に伴って眼球も成長するため、多くの場合、近視は成長期に進行します。

近視の進行には集中的な近くを見る作業(環境要因)と、 家系に強い近視の人がいるかどうか(遺伝要因)などが関係しています。
また、低年齢で近視を発症した場合には、将来的に強度近視になるリスクが高いことが知られています。

そのため近年では、単に眼鏡を合わせるだけではなく、近視の進行そのものを抑えることが重要と考えられるようになっています。


3. 眼鏡をかけると近視は進む?


保護者の方からよく、 「眼鏡をかけると近視が進むのですか?」 というご質問をいただきます。

結論からいうと、 眼鏡をかけることで近視が進むという医学的根拠はありません。
近視は眼球の成長によって進行するものであり、眼鏡が近視を進行させるわけではありません。

過去には、度数を弱めた眼鏡で近視進行を抑えられるのではないかと考えられたこともありましたが、 実際の研究ではそのような効果は確認されませんでした。

現在では、近視には適切な度数の眼鏡で矯正することが推奨されています。
見えにくい状態を我慢して生活することを勧める根拠はありません。


4. 強度近視と将来の病気のリスク


一般的に-6D以上の近視を強度近視と呼びます。

強度近視では眼球が大きく伸びているため、単に視力が低いだけではなく、眼の組織にも負担がかかります。
その結果、将来的な眼疾患のリスクが高くなることが知られています。


  • 網膜剥離
  • 緑内障
  • 近視性黄斑症(近視性黄斑変性)
  • 白内障

近視が強くなるほどこれらの病気のリスクは高くなることが知られています。
上記のうち白内障以外は、眼鏡をかけたり適切な治療をしても見えにくさが残る可能性がある病気です。

そのため、近視は「眼鏡をかければよいだけの状態」ではなく将来の眼の健康にも関わる病気であり、 近視の進行そのものを抑えることが重要と考えられています。


5. なぜ近視進行抑制治療が行われるの?


近視そのものを完全に治すことはできません。
しかし近年では、成長期の近視進行を抑える治療が行われるようになってきました。

近視進行抑制治療は治療方法や個人差によって効果は異なりますが、 近視の進行を30〜60%程度抑制できることが報告されています。

近視進行抑制治療の目的は、 将来的な強度近視を減らし、将来の眼疾患リスクを下げること です。
低濃度アトロピン点眼やオルソケラトロジーなどの治療法については、次回の記事で詳しく解説します。


6. まとめ


近視は成長とともに進行することが多く、強度近視になると将来の眼疾患リスクが高くなります。
また、眼鏡をかけることで近視が進むという医学的根拠はありません。

近年では、将来の強度近視を減らすことを目的として近視進行抑制治療が行われるようになっています。




著者情報

十川眼科大町院 院長 中林征吾

医師紹介ページ アクセス
中林 征吾
  • 日本眼科学会認定 眼科専門医、医学博士
  • 日本眼科学会、日本緑内障学会、日本眼炎症学会 所属

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