旭川市で緑内障にお悩みの方へ|症状・治療方法・費用を眼科専門医が解説
旭川市で緑内障にお悩みの方へ。このページでは緑内障について、病気の特徴や治療の種類、手術の費用などについてを説明いたします。 当院の院長は旭川医科大学病院の緑内障専門外来を10年近く担当しておりました。専門的な緑内障診療、緑内障手術を行っております。
監修:十川眼科大町院 院長 中林征吾(日本眼科学会認定 眼科専門医)
1. 緑内障とは
2. 緑内障の症状
3. 緑内障の検査
4. 緑内障の分類
5. 緑内障の治療
6. 緑内障手術
7. 緑内障手術の費用について
8. 関連するコラムページへのリンク
1. 緑内障とは
目の奥の内側にある神経がダメージを受けてしまい、視野が欠けてくる病気が緑内障です。 一般的には年月をかけてゆっくりと進行することが多いですが、目の圧力(眼圧)がとても高い場合では短時間で一気に進行することもあります。
眼圧を下げることによって緑内障のほとんどの方で視野障害の進行を緩やかにすることができますが、残念ながら現在の医学では緑内障による視野障害を治すことはできません。

40代で2%、50代で3%、60代で6%、70代で10%ほどの方が緑内障と言われ、緑内障にかかる確率は加齢とともに上がっていきます。
眼圧が高めの場合緑内障の危険性は高まります(ただし、日本人の緑内障の人のほとんどは眼圧は普通の範囲内です)。ほかにも、血縁関係の人に緑内障の人がいる、強度の近視、糖尿病、低血圧、片頭痛、睡眠時無呼吸症候群の方も緑内障になる危険がすこし上がります。
視野が欠ける症状にはなかなか気づけません。かなり進行するまで全く症状がないことも多いため、目の検診を定期的に受けて早めに緑内障を見つけることが重要です。
2. 緑内障の症状
人間は真ん中の部分で見ていて視線を動かしてものを見ることが多く、視野の端がかけてぼやけていてもほとんど気づけません。
また、人間の目は2つあり、さらに見えないところを周りの色などで補ったりする脳の機能もあるため、見えていないことになかなか気づくことができません。
症状に気づくのはかなり悪くなってからです。中心の視野障害がある場合は視力が下がったりする場合もあります。
緑内障の視野障害は長い年月をかけてゆっくりと進行することが多いですが、眼圧が非常に高い方は数日~1週間程度の短い期間で一気に神経がやられてしまい、ほとんど見えなくなってしまうこともあります。
緑内障が悪くなればなるほど、ご高齢になるほど緑内障は進行しやすくなります。
3. 緑内障の検査
緑内障の診断のためには、眼底検査・OCT検査で目の中の神経に緑内障の変化があるか、そして視野検査で緑内障による視野障害があるかを調べます。

継続的に視野検査を行うことで、視野障害が進行しているのかどうかを調べます。またOCT検査も継続的に行うことで、神経が弱くなっているのが進行しているかどうかを調べることができます。
当院には静的自動視野計であるimo(アイモ)、 より広い範囲の視野検査ができるゴールドマン動的視野計を用意しております。 imo(アイモ)は通常の視野検査計よりも楽な姿勢で行うことができ、検査時間も短めですので好評です。 ゴールドマン動的視野計は、かなり進行した緑内障の方でも視野検査を行うことができます。


緑内障とわかったら、隅角検査(ぐうかくけんさ)を行います。 隅角とは、黒目と茶色目でできる、目の中の水を排水するのに大事な場所です。隅角検査によって、隅角が広そうに見えても組織が癒着していて実は狭いタイプに似た状態だったり、隅角にだけ炎症所見があって、炎症から眼圧が上がっていたりなどがわかることがあります。
隅角がが広い(開放隅角)か狭い(閉塞隅角)かで治療が大きく変わります。 また、他に原因がない(原発性)か、他に明確な原因がある(続発性)かでも、治療が大きく変わります。
緑内障の治療の基本となるのは、眼圧を下げることです。隅角が広い緑内障では、治療をする前の眼圧から2~3割眼圧を下げることが基本になります。 そのため、通院中はほぼ毎回眼圧検査を行います。
当院では眼圧測定を行う方法として、接触式であるゴールドマン圧平眼圧計、 空気を目にあてて測定する非接触式の両方で行うことが多いですが、他にもリバウンド式の眼圧計を用意しており、個々の患者様に最適な眼圧計で測定します。
ほとんどの場合で治療前の眼圧測定に十分な期間をとり、黒目と茶色目の間の水を排水する場所(隅角)の構造をしっかり観察(隅角検査)して正しい診断を行います。 角膜の厚みを測定して眼圧測定の誤差を考慮し、点眼薬もほとんどの場合で片目から開始して眼圧下降効果がしっかり得られているかを確認します。
4. 緑内障の分類
緑内障をこまかく分類すると、たくさんの病名があります。
- 正常眼圧緑内障(せいじょうがんあつりょくないしょう):日本人の7割がこれで最も多い。隅角が広くて治療前の眼圧が普通の範囲。
- 原発開放隅角緑内障(げんぱつかいほうぐうかくりょくないしょう):隅角が広くて治療前の眼圧が高い。
- 落屑緑内障(らくせつりょくないしょう):目の中に落屑物質というものがあり、眼圧が高く、視野も悪くなりやすい。
- 血管新生緑内障(けっかんしんせいりょくないしょう):眼の中に新生血管ができてそれが悪さをして水の流れが悪くなり眼圧が上がる。
- 続発緑内障(ぞくはつりょくないしょう):眼圧が上がる明確な原因が他にあるもの。ぶどう膜炎やステロイドの副作用など。
- 前視野緑内障(ぜんしやりょくないしょう):緑内障の前段階のようなもの。神経ダメージはあるが視野障害なし。
- 高眼圧症(こうがんあつしょう):眼圧は高いが緑内障性変化なし。厳密には緑内障ではない。
- 原発閉塞隅角緑内障(げんぱつへいそくぐうかくりょくないしょう):隅角が狭くて眼圧が高くなる。遠視の目の方の白内障が進むとなることがある。プラトー虹彩という茶色目の異常だと若くてもなりうる。
- 原発閉塞隅角症(げんぱつへいそくぐうかくしょう):隅角が狭いが緑内障の神経ダメージがない状態。今後眼圧が一気に上がる可能性はある。
- 小児緑内障(しょうにりょくないしょう):成人になる前に眼圧が高く、緑内障になっている状態。
- 上方部分視神経乳頭低形成(じょうほうぶぶんししんけいにゅうとうていけいせい):生まれつき神経の一部が弱くて下の視野が欠けるもの。厳密には緑内障ではない。
5. 緑内障の治療
緑内障の治療は、隅角という目の中の水を排水する場所の形によって変わります。 隅角が広いタイプの開放隅角の方では点眼治療での眼圧下降が基本になります。 隅角が狭いタイプの閉塞隅角の方ではレーザー治療(虹彩に対するレーザー)や白内障手術などを行い隅角を広くして、目の中の水の流れを改善することが基本になります。 明確な他の原因のために眼圧が上がっている続発緑内障(目の炎症や薬の副作用など)は、そちらへの対応も重要です。
開放隅角の患者様で、十分な点眼加療を行っても眼圧下降が思わしくない場合や視野障害の進行を認める場合には、適切な時期にレーザー治療や外科的手術をおすすめいたします。
眼圧がとても高い場合には、緑内障の変化がなく(神経のダメージがなく)ても、眼圧を下げたほうがよいことが多いです。神経のダメージ、視野障害に進む可能性が高いからです。
隅角がとても狭い方では緑内障の変化がなく(神経のダメージがなく)ても、予防的に隅角を広げる手術(レーザー手術や白内障手術)をしたほうがよいことがあります。
当院ではすべてのタイプの緑内障の患者様について、眼圧の経過、眼底の神経の状態、視野の経過を正しく判断し、個々の患者様に最も適切な治療方法をご提案いたします。
また、緑内障での視野障害がかなり進行してしまった患者様への身体障害者手帳や障害年金への申請、遮光眼鏡合わせやロービジョンケアについても対応いたします。
6. 緑内障の手術について
緑内障手術については、当院の院長は大学病院でレーザーでの虹彩切開術、隅角形成術、線維柱帯形成術、毛様体光凝固術、マイクロパルス毛様体光凝固術、外科的な手術では iStent手術、線維柱帯切開術(眼内法、眼外法)、隅角癒着解離術、線維柱帯切除術(ろ過手術)、ロングチューブ手術を数多く行ってきました。
あくまでも眼圧を下げるものであり、緑内障による神経のダメージ、視野障害が治るわけではありません。
- 選択的レーザー線維柱帯形成術(せんたくてきレーザーせんいちゅうたいけいせいじゅつ):目の中の水の排水を促すレーザー手術。点眼麻酔で行えて、最も目に負担が少ない。眼圧を下げる効果も小さめ(点眼1個分くらい)。
- マイクロパルス毛様体光凝固術(マイクロパルスもうようたいひかりぎょうこじゅつ):目の中の水を作るのを抑えつつ排水も促すレーザー手術。しっかりとした麻酔を行う。麻酔薬の影響でその日はかなり見えにくくなる。眼圧を下げる効果は大きめ。
- 毛様体光凝固術(もうようたいひかりぎょうこじゅつ):目の中の水を作るのをかなり抑えるレーザー手術。しっかりとした麻酔を行う。眼圧が低くなり、目がしぼんでしまう合併症が起こることあり。緑内障で全く見えなくなってしまった方へ、眼圧がとても高くて痛みが強い場合にのみ行う。
- 虹彩光凝固術(こうさいひかりぎょうこじゅつ):閉塞隅角の方の隅角を広げるためのレーザー手術。茶色目に小さな穴を開けたり、端っこにまんべんなくレーザーを打って隅角を広げる。
- 線維柱帯切開術(せんいちゅうたいせっかいじゅつ、トラベクロトミー):目の中の水を排水する部分を切る手術。短時間で行えることが多い。手術後は血液が逆流して眼内に舞うことで、しばらくの間見えにくいことも多い(数日~1週間程度)。
- iStent(アイステント)眼内ドレーン挿入:目の中の水を排水する部分に小さな金属(チタン製)のステントを挿入する手術。短時間で行えることが多い。手術後は血液が逆流するが、見えにくくなることは少ない。白内障手術と同時に行うことが多い。術後2週間でMRI検査も受けられる。
- 隅角癒着解離術(ぐうかくゆちゃくかいりじゅつ):閉塞隅角で排水部分が癒着してしまった場合に癒着をとる目的で行う。通常は白内障手術と同時に行う事が多い。
- 線維柱帯切除術(せんいちゅうたいせつじょじゅつ、トラベクレクトミー):目に小さな穴をあけて眼外に水を逃がす手術。白目の皮のような組織を利用して、上まぶたに隠れる場所に貯水池のような白目の膨らみを作る、眼圧を最も下げることのできる緑内障の手術。手術後は数ヶ月くらいまで見え方は不安定になることもある。2%程度で感染症の危険がある。リスクはあるものの、点眼やレーザーなどの手術では視野が悪くなってしまう方、眼圧がとても高い方にはこの手術が適応となる。白目の組織を利用するため、白目の状態が悪いと手術がうまくいかないこともある。
- エクスプレス挿入術、プリザーフロー挿入術:真ん中が空洞の小さな器具を目に挿入することで線維柱帯切除術と同じような効果を得る。線維柱帯切除術より眼圧が少し高めになることが多い。
- アーメド挿入術:眼球の裏側に近い場所に2.3cm程度の楕円形のプレートを縫い付ける。眼内に挿入したチューブからプレート側に目の中の水を逃がす。線維柱帯切除術ほど眼圧はとても低くはできないが、合併症が少なめ、かつ白目の癒着が多少あっても手術を行える。手術後の処置などはほぼない。
当院の院長は大学病院時代にこの手術も50件ほど行いました。当院は新設の眼科クリニックであり、保険診療でこの手術を行うための国の基準(当院での手術件数)を満たす必要があります。現在その条件を整えているところです。
緑内障の視野障害が強く、点眼治療やレーザー治療などでも視野障害が進む方、とても眼圧が高い方、しっかりと眼圧を下げなければならない方には、当院ではろ過手術、とくに線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)をおすすめしております。 術後も中長期で低い眼圧を維持させるためには十分な経験による繊細で丁寧な術後管理が必要ですが、当院の院長は数多くのろ過手術、術後処置などを行ってまいりました。
当院での緑内障手術はすべて日帰り手術で行っております。緊急性の高い高眼圧に対しても臨時手術にて随時対応いたします。
基本的には、手術後2日目から首から下のシャワーを浴びることができます。手術後3日目から目に水がかからないようにであれば、仰向け状態で頭を洗うことができます。 可能な限り感染を防ぐため、浴槽につかったり顔を下に向けての患者様ご自身での洗髪は手術後6日間はできません(手術後1週間たてば入浴と洗髪は差し支えございません)。 公共施設での温泉などに入るのは念のため1ヶ月はお控えください。

7. 緑内障手術の費用について
緑内障手術日の費用の目安(自己負担額)
片眼の手術の場合の目安です。
高額療養費制度というものがあり、年齢や収入に応じて自己負担額には上限があります。70歳以上で医療費の自己負担割合が1割・2割の方は、月の上限額が18,000円になります。詳しくはこちらをごらんください。
| 手術名 | 3割負担 | 2割負担 | 1割負担 |
|---|---|---|---|
| 選択的レーザー線維柱帯形成術 | 30,000円 | 20,000円 | 10,000円 |
| マイクロパルス毛様体光凝固術 | 18,000円 | 12,000円 | 6,000円 |
| 毛様体光凝固術 | 18,000円 | 12,000円 | 6,000円 |
| 虹彩光凝固術 | 21,000円 | 14,000円 | 7,000円 |
| 線維柱帯切開術 | 46,000円 | 30,000円 | 15,000円 |
| 線維柱帯切開術+白内障手術 | 66,000円 | 44,000円 | 21,000円 |
| iStent手術+白内障手術 | 94,000円 | 63,000円 | 31,000円 |
| 隅角癒着解離術+白内障手術 | 79,000円 | 53,000円 | 27,000円 |
| 線維柱帯切除術 | 73,000円 | 49,000円 | 25,000円 |
| 線維柱帯切除術+白内障手術 | 93,000円 | 62,000円 | 31,000円 |
緑内障についての相談、治療のご希望がございましたらお気軽にお問い合わせください。
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